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ROSE【気象系BL小説】

第13章  Move Over


「和也…?」


玄関に入ったら、和也が抱きついて離れない。


「しょうさぁん…」


右手で俯いた顔を持ち上げると、涙が溢れていた。


「しょうさぁんっ…」


抱きつくと、ぎゅうっと俺の背中に手を回して。


また離れない。


「和也…」


俺も抱きしめる。


「和也ぃっ…」


突然、こみ上げてきて。


止まらなかった。


「和也ぃっ…和也ぃっ…」


やっと…やっと…この腕に帰ってきた。


愛しい塊。


あたたかい塊。


お前がいないと、俺の時間は進まない。


どこにもいけない。


「顔、もっとよく見せて…」


頬を包むと、和也は俺を見上げる。


「しょうっ…」


顔が歪む。


涙が後から後から溢れる。


「どこもいかないでぇっ…」


「いかないっ…和也を置いていくわけないだろっ…」


「ぼくもつれていってぇっ…」


「どこだって連れて行ってやる…もう、離さないからな…」


「あいしてるっ…!」


「和也…」


「しょうっ…ぼくだけあいしてっ…」


「お前だけだよ…お前しかいないよ…」


「ぼくもっ…ぼくもっ…」


和也がまた胸に飛び込んできた。


もう、離さないよ…


和也…


俺の、和也…

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