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ROSE【気象系BL小説】

第13章  Move Over


早速体中、検査されて…


触れてほしくなかった所も。


警察や、外務省の人がきて俺から色々聞いて行った。


聞かれたくないところは、答えなかったけど…


でも。


大体の事情は、皆知っているようだった。


大方、アイツらのうちの一人が捕まったんだろう。


そこから足取りがわかったんだろう。




力の入らない左手を見る。


あの時、深く切りすぎて腱が切れた。


再建は難しい。


指を動かすのが難しい。


一生、俺の左手はこのままだ。




夜になると夢を見る。


あの夜の夢。


うなされていると、和也が俺を抱きしめる。


和也は俺の隣のベッドに居る。


悪いところはないけど、栄養失調気味で…


多分、親父の配慮だろう。


同じ病室で過ごしてる。


テレビもなにもないこの部屋は、時間が止まっているようで。


和也が、傷ついて入院していた頃を思い出す。


でも、あの頃とは逆だな…


暴れるのは俺の方で。


眠っている時とか、油断してる時に、身体の大きな男が近づいてきたら、飛び上がるほど驚く。


特に背後から近づかれたら、殴りそうになる。


身体が勝手に反応してしまって…


そんなとき、いつも和也が俺を抱きしめる。


あの時の俺のように…

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