第13章 Move Over
親父が来て、速攻で俺たちは日本に帰された。
俺は特別にベッドのついた飛行機で、日本への直行便に載せられた。
13時間のフライトを経て、日本についたら、すぐに病院にぶちこまれた。
和也のことや、俺のことは日本では報道されていなかった。
和也の入国のことに関しては、親父が一切手続きをやってくれたから、問題なく入国できた。
翼と別れを惜しむ間がなかった。
エジプトの情勢は、日に日にひどくなる一方で。
潤と智が、挨拶をしておいたと言ってくれたので、少しホッとした。
俺を見つけてくれたのは、誰であろう翼だった。
大使館からの情報で、あの地区に急行して、血眼になって俺を探してくれたのだ。
本当に感謝している。
危険を顧みず、俺に友情を示してくれて。
3ヶ月の間、俺たちは毎日一緒に居た。
だからこそわかる。
翼は、俺のことばかにしちゃいなかった。
和也を真剣に、生きてると思って探してくれた。
俺ですら、俺のことバカだと思っていたのに…
異国の友人は、熱いヤツだった。
ありがとう…翼。
平和になったら、一晩中酒を飲もうな…