第13章 Move Over
「和也…悲しい…?」
おばあさんのことを尋ねた。
「おばあさん、うごかない…」
和也は、動けない俺とおばあさんの遺体を並べて寝かせていたのだ。
あの時感じた、すえた臭い…
あれはおばあさんの臭いだったのか…
「おばあさんね…死んじゃったんだって…」
「はぁい…」
わかっているのか、和也は下を向いてしまった。
「おとうさんと、おかあさんのところ、いきます…」
なんとなく、和也なりにわかっているのだろう。
「お墓、後でいこうね…?」
「はぁい…」
横になっている俺の胸に顔を伏せた。
さらさらと髪の毛が俺の顎に掛かる。
「しょう…」
ぎゅっと俺の身体を掴む。
髪を撫でると、涙が出た。
先生…
あなたのお墓にも必ず。
「和也…先生も…死んじゃったよ…」
「…はぁい…」
わかっていたのだろうか。
なんで…
智と潤に目を向けると、首を横に振った。
こいつらが話していないのに…
なんで和也にはわかったんだ…?
「しょうさん…どこにもいかないで…」
ぎゅっとまた俺を掴むと、そのまま和也は離れなくなった。