第12章 Maybe
責め苦を受けていると、俺の回りにどんどん男たちが集まってきた。
みんな、ニヤニヤしながら俺たちを見てる。
どれも同じような顔をして笑ってる。
ゲス野郎…
最初に俺を貫いた男が果てると、次にまた男が俺の後ろに回った。
次々に俺を弄ぶ男たち。
だんだん、どうでもよくなってきて…
身体の力が抜けたら、殴られた。
殴られた衝撃で、腹に力が入ると男が果てる。
そしたら、次の男が来た。
3人目くらいまでは覚えてる。
あと、何人いたっけ…
最後にそんなことを思ったのは覚えてる。
そこから先は、闇。
目が覚めると、雨は止んでいた。
もうすっかり真っ暗になってて。
街灯も何もないから、どこにいるかもわからない。
焦げ臭い匂いだけただよっていた。
服はボロボロに引き裂かれてる。
それでもないよりマシだろうと、残骸を身につけた。
立ち上がろうとしても、足に力が入らず、蹲った。
「ふっ…ふふふ…は…ははは…」
笑いがこみ上げてきた。
なんだよ…
生きてたって、なんにもいいことないじゃないか…
なんで俺、生きてるんだろ。
早く、和也のとこ行こ。
蹲る膝の近くに、さっきの兵士が落としていったらしい、アーミーナイフがあった。
俺は迷わずそれを掴むと、鞘を引き抜いて手首に当てた。
「和也…今、いくから…」
手首に当てて、一気に横に引き裂いた。
血が、溢れ出してきた。
ホントにこんなので死ねるのかな…
そう思ったから、もう一回した。
今度はたくさん血がでてきた。
「あはは…あっはっは…もっと…早くこうすりゃ良かったんだ…」
意識が遠くなる。
その遠くなる意識の向こうで和也の声が聞こえた。
「しょうっ!しょうさんっ!」
迎えに来てくれたんだ…
和也…
早く、抱きしめてくれ…