第12章 Maybe
そうやって、俺は見えない和也の影を追い求めて彷徨った。
時には糸が見える時もあった。
でもそれはことごとくぶちっと切れて。
現地の報告書にもめぼしい情報はなく、俺達の日々は過ぎていった。
潤と智には目立って変わったところはみられなかった。
あれから、智からも俺からも話はしていない。
もちろん潤も。
俺は帰ってくると、クタクタで。
たまに水になるシャワーを浴びて、倒れるように眠る生活が続いてた。
エアコンも停電になると切れて。
身体が暑さに順応してなくて、とにかくだるかった。
窓を開け放していると、サソリが入ってくると言われて、開けられなくて…
そんな俺に、潤と智は日本からもってきた栄養剤とか無理やり飲ませにくる。
時にはどこで手に入れたのか、酒を持って、勝手に人の部屋で酒盛りを始める。
無理やり飲まされて、その後は眠りこけた。
とにかくだるくて。
一度眠ると、朝まで目が覚めなかった。
日々は過ぎる。
真っ黒に日焼けした俺を見て、翼は苦笑いする。
「日本のアンタのファンに怒られるな、俺」
別に日焼けしたのは翼のせいじゃないのに…
こいつ、ヘンなとこで律儀だ。