第12章 Maybe
「もう、敬語やめるから。あ、俺のことは翼って呼べよ!」
また白い歯を見せて笑った。
落差の激しい人だな…マジで…
でこぼこ道の先に、俺達のホテルはあった。
「ま、カイロに安全ってとこはどこにもないから。どこに泊まったって一緒だろ」
そう言って翼は車から荷物をおろしてくれた。
簡単なサインだけのチェックインを済ますと、早速外に出た。
小原から、初日は翼に任せろと言われていたので、彼のいうことに従う。
「とりあえず、カイロ市内を流そうか」
そう言ってまた運転席に座った。
暫く車を走らせると、また翼は俺の顔を見た。
「なに?なんかついてる?」
「いや…あんたとその髪、チリチリの人さ…」
潤のことだ。
「襲われるから、気をつけてな」
「えっ!?」
潤の声が裏返った。
「カイロのホモが好きそうな顔してる」
そういうと翼はくっくと笑った。
智は爆笑してた。
「おい、笑ってるアンタもなぁ…」
「へ?」
「カイロのショタコンが好きそうな顔してっから気をつけろよ?」
「しょたこん?」
今度は翼が爆笑した。