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ROSE【気象系BL小説】

第11章 Tell Mama


ガオが扉を開けると、榎本がベッドに座っているのが見えた。


こちらをみると、幽霊でも見たような顔をした。


「俺が誰か、わかるよな…?」


俺は履歴書の写真を思い出していた。


やつれているものの、アイツだった。


榎本径


「ああ…」


榎本は俺から目を逸らした。


「今日は言いたいことがあってきた」


「…なんだよ…」


「俺はこれからでかい仕事がある。それが終わったら、和也を探しに行くよ」


「え…?」


「俺、おまえと違ってあきらめが悪いんだよ…」


そういうと背中を向けた。


「じゃあな…」


「…和也はっ…」


榎本が立ちあがって俺の肩を掴んだ。


「和也はもういないっ…!」


「そう思うのはおまえの勝手だ」


「あれだけ探しても居なかったんだ…!帰ってこなかったんだ…!」


「あいつが帰ってきたいのは…俺んとこだけだ…だからアンタのところに帰らなかったんだ」


「…どんだけおめでたい頭してんだよ…」


「どうとでも言えよ」


「あんたはあの混乱を知らないからそんなことが言えるんだ…」


そういうと榎本はまたベッドに座った。


頭を掻きむしるようにしている。


「あんな地獄で、和也が行きていけるわけがない…」


「…それでも俺はいく」


榎本は頭を抱えた。


「…じゃあな…」


永遠に。

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