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ROSE【気象系BL小説】

第11章 Tell Mama


「いっせんまん!?」


ガオが素っ頓狂な声を出す。


リハーサル室に沈黙が漂った。


今日は、ライブのリハーサルの日。


「まあ…な…そりゃ助かるけど…」


智がごにょごにょ言ってる。


「それ、翔の親父さんのポケットマネーだろ?」


潤が困惑した顔で聞いてくる。


「ああ…」


「しかも用意でき次第、まだ追加してくれるって…?」


「ああ…」


「外務省ってそんな儲かるのかよ…」


「知らねえよ…」


俺だってわけわかんねぇんだ…


「でもさ、ありがたいじゃん…」


ガオの顔をみると、寂しそうなほほ笑み。


「ああ…ありがたいな…」


なんて言ったらいいか、わからなかった。


この年になって、甘えられる親のいる俺と、たった一人で立ってるガオ。


どっちが人間として、幸せなんだろうか。


「で、いついくの?」


雅紀がすぱっと聞いてきた。


「え?まだ先だよ…」


「こっちのことは気にすんなよ」


「え?」


「ライブツアー終わったら、すぐ行ってこいよ」


そう言って俺の肩に手を置いた。


「待ってるから、俺」


俺にだけ聞こえる小さな声で言った。


「雅紀…」
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