第3章 Call on Me
バイトの帰り、歩道の先で人だかりができてた。
なんだろうと覗きこむと人が倒れていた。
みたことがあるカバンが道路に転がってた。
ビクビクと痙攣する足。
その靴にも見覚えがあった。
人をかき分けて前にでたら、そこで倒れていたのはかずなりくんだった。
「かずなりくんっ…」
てんかんの発作を起こしてた。
ガチガチなる歯が嫌な音を立てていた。
「かずなりくんっ…しっかりっ…」
口の端から泡が出ていた。
身体が不規則に痙攣してる。
「救急車っ…誰か呼びましたか!?」
みんな呆然と眺めていただけで、誰も呼んでいなかった。
携帯を取り出して、救急車を呼ぶ。
あの施設にも連絡したかったけど、とっさに名前が出てこない。
そうこうしてるうちに、かずなりくんが唇を噛んで出血してきた。
本当はダメだって聞いたけど…
Tシャツを引き裂いて手に巻きつけた。
そのまま手をかずなりくんの口に突っ込んで、舌を噛まないようにした。
「かずなりくんっ…翔だよっ…聞こえるか!?」
うっすらとかずなりくんは目を開けた。
でもすぐに目は白目になった。