• テキストサイズ

ROSE【気象系BL小説】

第10章 Cry Baby







「翔…?」


ガオの声が聴こえる。


「ごめんね…和也、見つからなかった」


いいのに…和也ならここにいるのに…


「でも、榎本見つけたよ…」


榎本…誰だっけ…


「あいつね…和也の代わりに、違う男の子連れてたよ…」


誰…?


「侑李っていうね。和也と同じ病気の男の子と一緒にいたんだ…」


えの…もと…


「アイツ、侑李を和也の身代わりにしてさ…」


ここでガオの声が途絶えた。


鼻を啜る音が聞こえる。



「和也…和也ぃ…」


だんだんガオの泣き声が大きくなってきた。


やめてくれ…


やめて…


頭が痛い…


俺を現実に引き戻すな


「翔、和也はね…」


やめろ…


「や…め…」


「え…?」


「や…め…ろ…」


現実はいらない


「き…きたく…ない…」


俺は夢の中で、和也と暮らしていたい。


和也しか居ない世界に住んでいたいんだ。


「翔…!」


バタバタと走る音がする。


暫くしたらもっとうるさくなった。


やめろ…やめろ…


俺を現実に引き戻すのはやめてくれ






つらいだけだから
/ 420ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp