• テキストサイズ

ROSE【気象系BL小説】

第9章 Farewell Song


潤や智も暇があれば病室に顔を出す。


ふたりとも、あれこれ翔に話しかけてる。


寝てても意識があって、聞こえてるんだって。


だから返事はないけど、ずっと話しかけてる。


3ヶ月もこんなことやってたら、皆すっかり慣れてきて。


返事がない会話を延々としていることもあった。


その中には和也の話もあって。


警察が捜査に乗り出して、だいぶわかってきたことがあった。


榎本の息子は、偽造パスポートをやはり所持してた。


最後に立ち寄った国はスイス。


そこから先がわからない。


そして偽造パスポートの名前もわかった。


和也が今、その名前で暮らしている可能性が高いそうだ。


警察は信用ならないから、私も探偵や裏の世界の人間を使って情報を集めてる。


この5年ですっかりこんなことには慣れてしまった。





私には家族が居ない。


だからこいつらが家族だ。


同じように親がいない和也は、私の弟だ。


だから、全力でこいつらを守る。


邪魔する奴は、殺す。


そう、だから…


榎本径


あいつも殺す。


少しずつ、あいつに近づいているような気がした。


先生のお蔭で。
/ 420ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp