第7章 Kozmic Blues
それなのに…
雅紀が、俺の家に転がり込んできて4年目。
酒に酔っているとばかり思っていたら、台所で白い粉を見つけた。
殴って問い詰めて、その時はやめさせたと思ったのに…
次に気づいた時、俺は襲われた。
雅紀にすごい力で組み敷かれて、抵抗できなかった。
ラリってる雅紀には何も通用しなくて。
でも、それが覚めると雅紀は泣いて謝る。
ごめんね…翔…ごめんね…
そのまま、流されて…
雅紀と身体の関係ができてしまった。
ずるずると、底なし沼に引きずり込まれていった。
俺はそんな現実に疲れて、和也との思い出に耽ることが多くなった。
カバンを取り出しては、和也の痕跡を確認する。
耽っている間は、幸せだった。
雅紀がラリって暴れた後も、和也のカバンさえ見ていれば、忘れられた。
そして、和也がいなくなって5年目を迎えた。
雅紀は何度言っても薬をやめることができなかった。
俺も止めることができなかった。
どこからか薬を手に入れてきて、台所で蹲ってる。
何度も病院に入れようとしたけど無駄で。
雅紀が泣いて謝るから、許してしまって。
でも、もうだめだ…
このままじゃ雅紀が死んでしまう。
ここを連れ出さないと…