第10章 名前と台本 ~H&T~
『好きな方をどうぞ』
出されたのは
チョコレートケーキとモンブラン
じゃあ、と言いチョコレートケーキを取る
「美味しい。流石岡本くん」
『ですよね。どこで見つけるんだろう?』
甘い物を前にした彼女の笑顔にときめく
この笑顔を僕のものに
なんて思った時には動いていた
『浩史さん?』
ギュッ
彼女を後ろから抱きしめる
「その笑顔、他の人には見せたくないな」
『え?』
顔を赤くする彼女の首に顔を寄せると唇を落とす
微かだが震えた彼女の体に理性を取り戻す
「こんな風になっちゃうからね」
なんて冗談のように言う
『浩史さん』
「ケーキありがとう!じゃあ僕は部屋に戻るね」
────────
部屋に戻ると
「何やってんだろ……」
後悔と優越が混じっていた
----浩史side end----