As well be hanged for .....
第17章 成果は舞台に 喜劇は皿に 後篇
「なぜ、こんなことをしているの?」
ファシルはこの質問に表情一つ変えず、先ほどと変わらぬ心の読めぬ笑顔を張りつけているだけ。
「では。答える前に、私の質問を言おう。…これから先、どうするつもりだ?」
「貴方の話は長くなりそうだから、先に答えてあげる。」
エメラルドグリーンの瞳を挑戦的に煌めかせ、にやりと口角を上げるウリエ。
ファシルの質問に悩むことなく応対する。
「全てフラットにする。出る杭は打たれるものよ。」
シエルはウリエの言葉を聞いてはっとした。
セバスチャンが言っていたあの時の言葉。
嫉妬は名声の伴侶。
ウリエはきちんと自分の立場を理解していたのだ。
彼女の言葉に、すべてを一薙ぎにする意志の強さを感じた。
もちろん、彼女も含めて。
「ほう!それは良いバリアフリーになりそうだ。生活がしやすそうで憧れるよ。で、誰が施設長になるんだい?」
「質問は一つよ。だから答えも一つ。」
「……誰に似たんだか。」
クスクスと笑うのはウリエか、ファシルか。
「じゃぁ、私の答えだ。目には目を歯には歯を。ということわざを知っているね?まさにそれだ。」
ファシルはそこまで言うと、指を鳴らし脇にたくさん並んでいる人たちを使って、互いの立っている位置にイスを準備させる。
互いにイスに腰を降ろし、長くなりそうなファシルの話に耳を傾ける。