第6章 ♣️そのマンション、私が管理して差し上げましょう
「ご無理にとは申しませんが…出来れば、相葉さんがどんな生活をしてらっしゃるか確認させて頂きたいんです。そうすれば今後苦情が寄せられたとしても、きちんとした対応が出来ると思うんです」
あくまで相葉さんのためだと強くアピールをする。
「そっかぁ、オレのためかぁ…」
その通り、私は大きく頷いて見せる。
「うん、分かった。どーぞ」
よし、第一関門突破だ。
「それでは、お邪魔します」
私は大きく深呼吸をして、開かれた扉の先に足を踏み入れた。
あぁ…、太陽の匂いがする。
まるで相葉さんに包まれているようだ。
「あのさ、あんまじっくり見ないでね?」
えぇ、えぇ、見させていただきますとも。
廊下を抜けてリビングに通されると…ん?
この部屋、こんな壁だっただろうか?
「あの、相葉さん? ちょっと確認なんですが、この壁はいったい?」
「え、あ、あのさ、これにはちょっと訳があってさ…」
途端に口籠る相葉さん。
どうやら騒音の原因はここにあるようだ。
私は動揺を隠せずにいる相葉さんにある提案をした。