• テキストサイズ

ぼくらはDreamer【気象系BL】

第6章 ♣️そのマンション、私が管理して差し上げましょう


私と櫻井さんは手分けをして、空室になっていた隣室へと荷物を運び込んだ。

全ての作業を終えると、外はもうどっぷりと日が暮れていた。

「思ったより時間がかかってしまいましたね?」

肩で息をヒューヒューしている櫻井さんに声をかけた。

「でも、これで苦情は来ませんよね?」

そうですとも!
私は大きく頷いて見せた。

「あの、ちょっとお尋ねしたいのですが、櫻井さんのお仕事は…?」

「あぁ、俺の仕事…。なんて言ったら分かり易いのかなぁ…」

顎に手をかけ、う〜んと首を捻る櫻井さん。

「い、いえ、無理にお答え頂かなくても…。ただ、日に何度も外出なさるので、気になっただけですから」

簡単に言えない職業ってことは、余程怪しい仕事なんだ、と私は理解した。

これ以上探るのは無理か…

「俺、実は所謂“ヒモ”ってやつなんですよ。だから、1日に何人も人と会うんです」

まさか“ヒモ”とは…
思ってもいなかった答えに、私は心底驚いた。

「ほほぉ、お盛んなんですね?」

な、何を言っているんだ、私はっ!?

「ええ、まぁ…。あの…管理人さんも、なってくれます? 俺の…」



その後櫻井さんと私は、言うなれば“需要と供給”の関係になった。

それからというもの、櫻井さんの外出はめっきり減り、その代わりに管理人室に私を尋ねて来ることが多くなった。

フフ…
櫻井さんはもう私の“虜”になったようだ。
/ 403ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp