第6章 ♣️そのマンション、私が管理して差し上げましょう
仕事は何?
そう聞かれて、
マンションの管理人。
と、答えると、大抵の人は“楽そうだね”そう言うだろう。
私自身、“楽そうだから“そんな理由でこの職に就いた。
でも、現実はそんな楽な仕事ではなかった。
マンション内の設備、管理、修理、清掃、そしてその他諸々の雑用雑務。
それらの全てが管理人が賄うべき仕事なのだ。
エントランスのフロントでただ座って、呑気に住人の出迎えをしていればいいって訳じゃないのだ。
私の予想に反して、この“マンション管理人”の仕事は、ハードワークだった。
だか、救いもある。
そもそもこのマンション、戸数10と割と小さなマンションで、しかも現在入居済みの部屋は4室。
つまり半分以上が空室状態ということになる。
それなのに、何故管理人が必要なのか?
建物の管理など、わざわざ管理人を雇わなくても、大家が賄えば済むことなんじゃないかと思う。
それこそ人件費の無駄ではないか…勤務を始めた当初は私もそう思っていた。