第5章 ♠ラップでウィンナー売っちゃうぜ!
「じゃあ、とりあえず中丸君はこのウィンナーをタコさんにしてくれるかな?」
ウィンナーの袋をいくつか手渡し、俺はホットプレートの電源を入れた。
鉄板に熱が伝わってくるのを掌で確認しつつ、横目で中丸君を見る。
まな板の上に袋から出したウィンナーを、それはそれは綺麗に並べている。
ウンウン、感心関心。
何事も丁寧なのは良いことだ。
ちょっと見直したよ、中丸君。
俺はエプロンを身に付けた。
これがまたなかなか洒落の効いた物で、黄色い生地に真っ赤なタコさんのアップリケがいくつも施された、とても可愛いデザインになっている。
勿論、中丸君も同じエプロンを付けている。
準備は完璧だ。
「さあ、中丸君、ここにウィンナー…を…???」
ちょいちょい、中丸君?
それは一体全体なんでしょうか?
まな板に並べられた得体の知れない物体の数々。
「な、な、中丸君? 俺は言ったよね、確かに言ったはずだよね、タコさんって…それではまるで…」
そうまるで…クラゲ…?
「いや、僕の認識ではこれがタコさんウィンナーなんですけど?」
いやいや、その認識間違ってるだろ〜!