第1章 ♥オイラは美術教師
白いスケッチブックに鉛筆を走らせる…が、どうにも気になって仕方がない。
そう、チャールズさんの向こうに見える、頬杖付いてニコニコ顔の大野先生のことが。
「あの、先生?」
「ん、なぁに〜?」
気の抜けた返事が返ってきた。
「先生お暇なんですよね? だったら、先生がモデルになってくれませんか?」
こんな冷たくて硬い石膏のチャールズさんなんかより、先生を…
断わられるのは承知の上だったんだが…
「え〜、恥ずかしいなぁ(〃ω〃) ホントに俺で良いの?」
あっさり承諾してくれた。
さっさと作業台のチャールズさんを片付けると、椅子に座って、“こう?”なんて言いながらポーズを取り始める大野先生。
本人は格好つけてるつもりだろうが、俺が望んでいるのはそんなモンじゃない。
「先生、服脱いで貰えますか?」
それには大野先生も流石に戸惑いの表情を浮かべた。
俺は作業台を周り、大野先生の前に立つと、シャツのボタンに手をかけた。
「手伝います」
一つ、また一つ、ボタンを外す。
そして曝された、ほど良く引き締まった肉体。
チャールズさんなんかじゃ比べ物にならないぐらい、綺麗だ。
シャツを肩から落とすと、身体がブルッと震えた。
窓が開いていることを思い出し、
「このまま動かないで?」
耳元に囁き、その場を離れると窓とカーテンを閉めた。
序に美術室と廊下を繋ぐ入口の鍵も閉めた。