第4章 ♥ギラついたアクター
「君、ちょっと…」
メガネさんの手を取ろうとした俺の前に、カメラを肩に担いだ監督が立ちはだかった。
何度も言うようだが、この手の撮影では監督自らカメラを持って撮影をすることも多い。
「さ、始めちゃおっかぁ!」
やたらテンション高めの監督の勢いに押され、伸ばしかけた手を引っ込めた俺は、ベッドヘッドに凭れかかり、息を一つ吐いて気合いを入れた。
「潤ちゃ〜ん、準備はいいかなぁ?」
その声に俺は小さく手でOKサインを作って見せた。
「OK! んじゃ、よぉ〜い、アクショ〜ン!」
カメラが回り始めた。
徐々に距離を縮めるカメラに、俺は熱っぽい視線を送る。
そして僅かに開いた唇から、赤い舌を覗かせた。
「こっちこいよ」
低い声でカメラ相手に囁く。
「なに恥ずかしがってんの?」
手をのばし、カメラをグッと引き寄せた。
視線をカメラに向けたまま、舌で唇をペロッと舐め回すと、そこに指を一本入れた。
ペロペロと指を舐め回し、片手でバスローブの紐を解いた。
バスローブの前を開き、露になった白い肌を自らの手で愛撫する。
カメラが俺の手の動きを追いかける。
器用に胸の突起を転がしてやる。
「…はぁ…ん…」
身体をヒクつかせながら、甘い吐息を漏らして見せた。