第22章 No.1は誰だ!
涼介の目がキラキラと輝く。
マジックは得意といえば得意だが、読心術なんてのは実際やったこともないが…
まぁいい。
ここはいっちょ涼介の話に乗っておくか。
「実はそうなんだよねぇ~。試しに今涼介が何考えてるか、当ててやろうか?」
「えっ、いいんですか? お願いします!」
やれやれ、浮かれちゃて…
涼介の顔がパッと綻ぶ。
同時に私の胸奥底でほくそ笑む小悪魔ちゃんが顔を覗かせる。
「じゃあさ、目瞑ってこっち向いて?」
少々戸惑い気味に涼介が瞼を閉じ、膝ごと身体の向きを変える。
「ちょっと触るけど、いい?」
涼介が目を閉じたまま、大きく頷く。
「じゃあ、ちょっと失礼して…」
胸の前で組んだ腕を解き、その手を涼介の大きく開いたシャツの襟もとに伸ばした。
「なんだかドキドキするなぁ…」
「しっ、黙って?」
襟を掴みかけた手を、涼介の口元に移動させ、人差し指で唇に触れる。
途端に赤く染まる涼介の頬。
「くく、安心しな? 今のは”唇”じゃないよ?」
唇でのキスはしないのがココのルールなんでね…?
「残念、とか思った?」
「えっ、どうして分かるんですか?」
そりゃお前、アレだ…
「私は”読心術”も得意だって言ったよね?」