第22章 No.1は誰だ!
「黄の間 エントリーNo.2 和也」
「和也さん、ご指名です」
よし来た!
今日のゲストはいくら落としてってくれるんでしょうね?
「い~らっしゃいませ~。どうも、私が和也です」
片膝を床に着き、ちょっとはにかんだ笑顔で、お決まりの挨拶をする。
「へぇ~、あなたが和也さんですか。噂には聞いてましたけど、白い肌がとても綺麗ですね」
ああ、お陰様で休みの日は”ニート”と化してますんでね…。
「とおろで、名前は? まだ聞いてなかったよね?」
ゲストの隣に腰を降ろし、胸の前で腕を組んで顔を覗き込む。
しっかし綺麗な顔してるじゃないですか?
実はホスト志望とか?
それに着てる物だって、全身”ヒョウ柄コーデ”で決めまくってるし?
コイツ、”金”持ってるな。
「あ、あの僕、涼介って言います。実は…」
ほら、来た!
言うよ?
絶対言うよ?
「和也さんに憧れてまして、それで…」
「ホストになりたい、とか?」
目の前で涼介の綺麗な目が、パチパチと小刻みに瞬きを繰り返す。
「な、なんで分かっちゃうんですか? もしかしてマジック以外に、読心術の特技もあるとか?」
もしかしてコイツ、見た目によらず”天然”か?