第21章 銭湯へGo!
ちょ、ちょ、ちょっと待て…。
”釣り”と言ったか?
ここで?
「あ、あのですね、無理、だと思いますよ?」
「えぇ、なんで? 釣れないの?」
いや、そもそも釣れると思ってるのがおかしいだろ?
「仮にね? 釣りが出来たとして、ですよ? 魚、いませんよ?」
ここは生簀じゃありませんからね?
「いないのぉ? なぁんだ…つまんないの…」
な、な、なんですか、その態度は!
大体ですねぇ、ここは銭湯ですよ、せ・ん・と・う!
百歩譲って釣りが出来たとしましょう。
釣った魚はどうなってると思いますか?
もう生きちゃいませんよ?
煮魚ですよ?
はぁ…
フニャフニャしてるのは顔だけじゃなかったってことですね。
頭の中身も、かなりフニャフニャしているようだ。
と、まぁ釣りは諦めてくれたようだし?
そろそろ私の本業に入ることにしようか?
さぁ、智君?
君はどこから脱ぐんだい?
私は目を皿のようにして光らせる。
ん?
んんん?
こ、これはなんと稀有なケースじゃないか?
智君が最初に脱ぎ始めたのはジーンズ。
しかも下着ごと一気に、だ…。
これじゃあ私の楽しみも半減するってもんだ…。