第21章 銭湯へGo!
『受けの湯』
さてさて…
本日”一発目”も済ませたことですし、そろそろ”受けの湯”を覗いてみましょうか?
翔君と一緒にやって来たこの男。
実にフワフワしている。
ちょっぴり色黒なのが玉に瑕ではあるが、フニャフニャした笑顔は私の荒んだ心を癒すようだ。
おっと、念のため言っておくが、私は”攻め”も”受け”も両方楽しめるタイプなのでね…
確か…”智君”とか言ったな?
彼のようなタイプも好みと言えば好みである。
しかし智君?
その肩に担いだ細長いケースは一体?
もしやライフル?
逃げた方がいいのか?
いやしかし、私の下半身は…
「あの~、君?」
私は思い切って智君に声をかける。
「えっ、オイラ? …なぁに?」
ポヤ~ンとした表情で私を見上げる。
その瞬間、
ヤッホ~イ!
私の心が小躍りを始めた。
思わずにやけそうな顔をキュッと引き締め、私は智君のケースを指さす。
「それは何が入ってるんですか? もしも危険物なら…」
「ん? あぁ、これ? これはねぇ…♪」
チャッチャラ~♪
中から出てきたのは、いくつかのパーツに別れた…
釣竿?
「オイラね、釣りが趣味なの? でね、ここなら釣れるかなぁ、と思って」
あぁ、なるほど…
釣りね…ふ~ん…