第19章 プールで監視?
ぽか~んと口を開いて俺を見る二人。
言ってる意味が分かってないのか?
『だ~か~ら~、準備運動しろって言ってんの!』
「えぇ~、やだぁ、この人ちょっとイカレちゃってんじゃない? アッチいこ、潤君」
へぇ~、”ダビデ像”の名前”潤”って言うんだ♪
って、感心してる場合じゃない!
”撫肩男”がオレの潤君の手を引いて別の席へ移動しようとする。
「えぇ~いい、ちょっと待たんかい! ラジオ体操…」
オレの足が二人の後を追おうとした時、プール内にアナウンスが流れた。
『休憩時間を終わります。皆さん、ルールをきちんと守ってプールに入りましょう』
こりゃ大変だ、持ち場に戻らないとっ!
走っちゃダメなんだよ?
分かってるんだよ?
でも仕方ないじゃないか?
オレは監視台に向かってプールサイドを全力疾走した。
当然だけど、向かい側の監視台からは、
『プールサイドを走るんじゃな~い!』
って怒声が俺に向かって飛んだ。
『すんませ~ん』
と、オレは頭をペコペコと何度も下げて見せた。