第2章 ♥私は怪しいホテルマン
どこもかしこも私の吐き出したモノが点々と…
大切なモニターにも、そしてズボンも下着も…
これでは精算どころの騒ぎではない。
はぁ…
またしても溜息が零れた。
何故、目の前にティッシュがあるのに、手を伸ばさなかったのか…
後悔したって仕方がない。
ベッドメイキングへ行く前にシャワーを浴びた。
簡易的ではあるが、シャワー設備があることに、これ程感謝したことは、未だかつてない。
だがしかし、だ。
ズボンの替えはあっても、下着の換えまでは用意されている訳もなく…
ストックルームから販売用の下着を取り、それを身に付けた。
レディース用の真っ赤なスケスケだ。
前も後ろもワシャワシャしていて、履き心地は…正直あんまり良くはない。
それでも無いよりはマシってとこだ。
請求は勿論、硬派な男にツケといた。
さぁ、そろそろベッドメイキングに行きますか。
二部屋分のリネンをカートに載せ、薄暗い通路をカートを押し歩く。
途中、硬派な男とフワフワ金髪とすれ違った。
ボディーソープの甘い香りが鼻を擽った。
またのお越しをお待ちしております。
心の中で呟いた。
おしまい