第17章 介護ってなあに?
介護される側にも、介護する側にも、少しでも負担の軽減が出来るような配慮が、この施設内の随所に見られる。
それでもおよそ30人のお年寄りの介護を、数人の職員で行う。
それっていうのはどうなんだろう?
もっと職員を増やせば、もっと楽に介護が出来るんじゃないだろうか?
山「あら、もうこんな時間。もうすぐ夕食の時間です。配膳の準備をしないと…」
M「俺達も手伝います」
山「お願いします」
俺達は再び食堂に向かう。
そう言えば智君、大丈夫だったかなぁ?
O「ばあちゃん、絵めっちゃ上手じゃん!」
五「そうかい?」
O「うん。またオイラにも教えてよ」
五「勿論さ。いつでも教えてやるからおいで?」
食堂に響く笑い声。
俺は余計な心配をしていたみたいだ。
山「このネームプレートをテーブルに並べてきて貰えませんか?」
俺と雅紀はプレートを受け取り、手分けしてテーブルに並べて行く。
潤は調理場の手伝いを任された。
普段も料理をしている潤。
実に手際よく料理を器に盛りつけて行く。
当然だが料理を乗せるトレーにも、一つ一つ名前の書いたシールが張り付けられている。
前に何かで聴いたことがある
食事が介護をする上で一番神経を使う、って。
おやつもそうだが、それぞれの状態に合わせた調理法、形状の食事を提供するのは、一見面倒にも思えるが、間違った物を出すことによって引き起こされる”事故”を防ぐための対策は欠かせないことなんだろうな。