第17章 介護ってなあに?
あんな顔、普段あまり見せたことないな…
A「リーダー相当ショック受けてんじゃない?」
かもしれないね。
M「どうする? 助け舟出す?」
「いや、ここは智君に任せよう。それよりも山田さん、俺浴室が見てみたいんですけど」
智君のことは気になるが、ここはやはり智君自身に乗り切ってもらうしかない。
山「そうでしたね。じゃ、こちらへどうぞ」
後ろ髪を引かれつつも、山田さんの後に着いて行く俺達。
山「こちらが浴室、通称”ジャニーズ温泉”です」
A「温泉沸いてんの?」
それ、多分違うと思うぞ?
山「いえいえ、そうじゃないんですよ。”お風呂”って言うと嫌がる人も中にはいるんです。でも”温泉”て言えば喜んで入って貰えるんですよ。不思議でしょ?」
なるほどね。
確かに俺自身がそうであるように、”風呂”は面倒に思っても、”温泉”と言われれば、心なしか気分も浮かれる。
些細なことなのかもしれないけど、ほんの少し言い方を変えてやるだけで、受け取る側の気分も180度変わる、ってわけだ。
山「当施設では、殆どの方が機械浴と言って、ストレッチャーや担架に寝たままで入浴できるタイプと、車椅子のような専用の椅子に座ったままで入浴できるタイプを利用されています。自立出来る方なんかだと、こちらの家庭用のお風呂に近いタイプの物を利用されることもありますけど」
ごく一般的な入浴施設と比べると、ここはまるでさながら”要塞”のようにも見えなくはない。