第2章 ♥私は怪しいホテルマン
週末の午後6時。
彼らは必ずここへやって来る。
そして必ず決まった場所に車を停め、決まった部屋にチェックインする。
彼らもまた、世間には公表できない関係なのだ。
モニターには通路に設置された監視カメラからの映像が映し出される。
長身のカップル。
クールな二枚目気取りの男が、隣の爽やかな男の肩に手を回す。
すると爽やかな男は、しな垂れかかるようにクールな男の腰に手を回した。
見つめ合う視線が熱を帯びているのがモニター越しにも分かる。
クールな男の手が105号室のドアノブにかかった。
ここで漸く、私専用のモニターの登場だ。
ドアを開けるなり、縺れ合いキスを交わしながら、僅かな時間を惜しむかのように、互いの着衣を脱がし合う。
露わになった爽やかな男の上半身を、クールな男の手が忙しなく弄る。
今週の2人はいつになく我慢が効かないようだ。
クールな男の愛撫に、爽やかな男は恍惚の表情を浮かべ、もう立っているのもやっとのようだ。
爽やかな男を壁に押し付け、深いキスを繰り返しながらも、クールな男は爽やかな男の下を脱がしにかかる。
下着ごと一気に下され、曝された下半身は既に形を変え、天井を見上げていた。
私はモニター越しに、ソイツと目が合った。