第13章 オイラは売れっ子カメラマン
カメラマン大野side
いきなりキスしたにも関わらず、二宮くんは白い肌を真っ赤に染めて、「嬉しいです」と言った。
その一言だけでも、オイラは動揺しまくりなのに、今度は二宮くんの方からオイラにキスをしてきた。
しかも思いっきり濃厚なのをね?
瞬間、オイラの軟弱な理性はどこかへ吹っ飛んだね。
気付いたら二宮くんの唇を押し開き、その奥にある舌を絡めとっていた。
ほのかにオレンジの甘酸っぱい香りの口内を貪るように舐め回した。
「…ん、ふ…んん…ふぁ…」
二宮くんが息苦しそうにオイラの胸を叩いて、漸くオイラは唇を離した。
「大野…さん?」
ウルウルとした二つの瞳がオイラを見上げた。
「ご、ごめん、あの、そろそろ撮影、再開、しよっか?」
オイラの腕に絡み付いた二宮くんの手をやんわり解き、オイラは背中を向けた。
「いや! 撮影なんてもう…」
パイプ椅子がガタンと音を立てて倒れ、二宮くんの細い腕がオイラの腰に回った。
ピッタリと密着させた身体と、首筋にかかる二宮くんの熱い吐息。
そして腰の辺りに感じる二宮くんの熱の塊。
「に、二宮くん、もしかして?」
肩越しに二宮くんがこくりと頷く。