第12章 ♥家”性”夫は見た?
廊下の雑巾がけが終わる頃、奥方様が綺麗なお手手で垂れ気味の目をコシコシ擦りながら階段を降りてきた。
「あれぇ~、潤君いいつ帰って来たのぉ?」
俺の横を素通りして、旦那様に飛びつく奥方様。
「おぉ~、マイスウィ~トハニ~♡ お昼寝してたのかい? お口の横に涎の痕がついてるよ?」
旦那様の舌が奥方様の口元をペロンと舐めた。
人目も憚らず、なんと大胆な…。
「ところでハ二~? 彼、どうしてあんな格好なの? まさか…」
”まさか”ってなんですか、”まさか”って…!
「もぉ、潤くんたらぁ…。智子のこと信じてないのぉ? いけない子ね?」
ん?
なにやらベロチュ~から雲行きが…怪しいから!
「ごめんよ、ハ二~。ハニーは悪くないよ、彼がいけないんだよ、誤解を招くような格好してるから…」
旦那様の鋭い視線が俺の下半身を射るように見つめる。
「あ、あ、あ、あの、わたくしそろそろお料理に…」
俺はエプロンで前をササッと隠したわけで…
でも時には隠せない場合もあるわけで…
困った俺は…手にしたバケツで隠すしかなくて…
気分は「北の〇から」なわけで…
「し、し、し、失礼しま~す」
スタコラサッサッサ~🏃🏃🏃