第12章 ♥家”性”夫は見た?
洗っては干し、また洗っては干しを繰り返すこと5回。
漸く脱衣所の床が見えてきた。
「ふぅ~、これだけ干したら、次はここの床掃除だな…」
額から零れ落ちる汗を、エプロンの裾で拭った。
ズッシリと重い洗濯籠を持って庭に出ると、既に干してあった洗濯物が風にソヨソヨと靡いていた。
「今日が快晴で良かった」
空を見上げ、降り注ぐ日差しに感謝すると、庭に張り巡らされたロープに洗濯物を丁寧に干していった。
その時玄関のチャイムが鳴った。
お客人だろうか?
俺は干す手を止め、玄関へと急いだ。
「どちら様でしょう…うわぉっ!」
ドアを開けるなり俺はガッチリとした腕に引き寄せられた。
「ただいま、マイハ二~♡」
ン~、ブチュッ♡♡♡
何が起こった?
突然の出来事に脳ミソがスパゲッティになっちまうよ…
「…あ、あの…!」
両腕を突っ張り、ピッタリと密着した胸を押しやると、俺は”唇”の主の顔を見上げた。
なんて超絶イケメンなんだ…
迂闊にも見惚れてしまった。
「えっ? アンタ誰?」
「”誰”って、あなたこそ”誰”なんですか? …いきなりこんな破廉恥なコト…」
「俺? 俺は”松本潤”。この家の主だけど?」
な、な、な、なんですと~⁉