第11章 Dream House feat.「こたつ de ×××」
それからの翔君は実に見事な手際の良さで、床の上に散らばった服や雑誌なんかを纏め始めた。
やれば出来るんじゃん?
僕はその姿を黙って見ていた。
だって、誰のせい、とは言わないけどさ、腰が痛いんだもん。
全ての片付けが終わった頃、窓の外はもうすっかり夜が明けていて、小鳥のさえずりが聞こえた。
「お、終わったよ…? どう…?」
僕は油断すれば閉じそうになる瞼を無理矢理持ち上げ、頑張った翔君に笑顔のご褒美をプレゼントした…けど、眠たい…
「松ずん達、何時、くる?」
あちゃ〜、言葉すら片言になって来ちゃったよ…
「うーん、多分昼飯までには来るんじゃない?」
それならさ…
「僕、もう限界…お休み…」
僕は翔君のベッドにゴロンと寝転がった。
「お休み、智くん?」
翔君が僕の隣に寝転がって、僕の身体は翔君の腕の中にスッポリ抱き込まれた。
額にチュッとキスを落とされるのは、ちょっと擽ったいけど、翔君がすぐそばにいると思うだけで、僕はとても嬉しくて…
翔君のくれる温もりの中で瞼を閉じると、僕は直ぐに深い眠りに落ちていった。
僕たちは3人の到着を知らせるクラクションの音が聞こえるまで、ぐっすりと眠っていた。