第11章 Dream House feat.「こたつ de ×××」
夜になって僕達はそれぞれの自室に入った。
本当は一緒に寝たかったけど、また襲われては僕の身がもたない。
僕は画材と釣具で溢れた部屋をグルッと見回した。
それ程几帳面ではないけれど、この散らかりっぷりはちょっと許せない。
でも、翔君の部屋はきっともっと大変なことになってるんだろうな…
「はぁ…仕方ないよね?」
僕は溜息と一緒に腰を上げ、部屋を出た。
そして向かいの部屋のドアをノックした。
「どうしたの? やっぱり寂しくなっちゃった?」
違うし!
「寂しいわけないじゃん。そんなことよりさ、翔君の部屋、たまには片付けない? これから熱くなるし、虫わくよ?」
虫なんかわいたら、それこそ死活問題だ。
なのに翔君たら、
「そんなこと言って、本当は一人で寝れないんでしょ? 素直じゃないなぁ…」
ってシレっとした顔で言うんだよね。
だからさ、
「お部屋綺麗にしたら、僕一緒に寝てあげてもいいよ?」
さぁ、どうする?
「手伝ってくれる?」
よっしゃ~!
僕は心の中でガッツポーズをした。
「そうと決まれば、ちゃっちゃとやるよ」
やる気になった翔君に、僕はちょっとだけ背伸びをしてキスをプレゼントしてやった。
「あ、なんか頑張れそうな気がする」
安定の”単純”さに僕はクスッと笑ってしまう。