第10章 ♥“おめでた”ですよ? 「アンケート祭り222」
Dr.松本side
プローブからの反射波が、モニターに二宮君の内部を画像として映し出す。
「二宮君、君はどうやら妊娠しているようですよ?」
私はプローブで中をグリグリしながら、お股の間から二宮君の顔を覗き見た。
真っ赤な顔で私を見つめる二宮君の目が合った。
「おめでとう」
私がそう言うと、二宮君は目に涙をいっぱい浮かべた。
「心配はいらないよ? 出産までは私がちゃんと君の面倒を見るから」
プローブを引き抜き、代わりに紫色した楕円形のモノを中に挿入した。
クスコを外し、そこにやはり紫色したプラグを埋め込んだ。
「さ、検査はお終いだよ? 次は、そうだな…2、3日後かな? あ、でも陣痛が始まったらすぐに来るんだよ、いいね?」
フットスイッチで検診台を元の位置に戻し、二宮君の両足を固定していたベルトを外した。
そこへすかさず相葉君が二宮君に替えの下着とズボン、そして妊娠体験ジャケットを用意した。
『相葉メモ…”妊娠体験ジャケット”とは、妊婦の生活や行動を体験したり、妊婦の介助法を学ぶためのジャケット式の器具である』
「出産までの間、これを着けていて欲しいんだ」
二宮君のシャツを素早く脱がし、素肌にジャケットを装着させた。
「あ、あの、これじゃ、シャツのボタンが…」
仕方なく上の何段かのボタンだけを閉め、上から白衣を纏わせた。