第10章 ♥“おめでた”ですよ? 「アンケート祭り222」
Dr.松本side
それが何か知ってか知らずか、検診台にチョコンと座る二宮君。
以前チラリと見かけた時にも思ったことだが、こうして間近で見ると、思った以上に可愛い顔をしている。
肌も白くて、顎のアクセサリーも何とも言えずセクスィ~だ。
私は確信した。
私の目に狂いはなかった、と。
「あの、松本先生? 僕は何をすれば…?」
おぉ、小首なんか傾げちゃって、なんとラブリーなんだ、君って人は…
そんな君には特別なドリンクをプレゼントしようじゃないか。
備え付けの冷蔵庫の奥に仕舞ってあった小瓶を取り出し、キャップを外した。
「実はもうすぐここに医療機器メーカーの方が試作品を持って来られるんだが、君にはその試作品の感想を聞かせてもらいたいと思ってね」
「は、はぁ…」
目の前の二宮君が訝しげな顔をするが、私が差し出したドリンクを受け取ると、途端に天使の如き微笑みを浮かべながら、それを一気に飲み干した。
「ちょっと甘いけど、とっても美味しかったです。ご馳走様でした」
「喜んで貰えて嬉しいよ」
空になった瓶を受け取り、きちんと分別されたごみ箱に投げ入れたその時、ドアをノックする音がした。
「どうぞ」
「相葉機器の相葉です。遅くなりまして…」
ペコペコと頭を下げながら入ってきたのは、医療機器メーカー国内最王手の”相葉機器”の副社長、相葉雅紀だ。