第10章 ♥“おめでた”ですよ? 「アンケート祭り222」
研修医 二宮side
僕は子供の頃から医者になる事を夢見ていた。
元々勉強は出来る方ではなかったけれど、医者になる…その為の努力は惜しまなかった。
そして今、僕はその夢を叶えようとしている。
専門はまだ決めてはいない。
医者にはなりたいけど、どんな医者?と聞かれたら…僕はどんな医者になりたいんだろう?
晴れて研修医になった僕は悩んでいた。
そんな時、僕にある医師から声がかかった。
産婦人科のDr.松本だ。
正直“産婦人科”ってトコに興味はなかったけど、大勢いる研修医の中から僕を選んでくれたことが嬉しくて、僕はDr.松本の研究室をノックした。
「どうぞ」
扉の向こうから聞こえた声に、僕は緊張のオーラを全身から放出しながら扉を開けた。
「あ、あの、二宮…です」
ぎっしり詰まった資料棚に向かう背中に、深々と頭を下げた。
「やあ、二宮君、待っていたよ」
振り向きざまにDr.松本の笑顔が…弾けた。
「まずは握手でもしようじゃないか」
「は、はぁ…」
僕は差し出されたDr.松本の手に自分の手を重ねた。
「宜しく頼むよ?」
「い、いえ、あの、こちらこそお願いします」
僕の手を握るDr.松本の手に、ギュッと力が込められた。
そのまま手を引かれ、僕はピンクのソファ?の前まで連れていかれる。
「ささ、ここに座りたまえ」
僕は言われるまま、変てこな形をしたピンクのソファに腰を降ろした。