第9章 ♦️24時間営業中
翔side
あぁ、ほら言わんこっちゃない…
「お客様、うちの従業員に何か御用ですか?」
見るに見兼ねた俺は、相葉君と団塊さんとの間に割って入った。
「相葉君、君はもういいから下がっていなさい」
相葉君がスタッフルームに消えたのを確認して、俺は団塊さんのネクタイをグイッと引っ張った。
「今度相葉君に指一本でも触れたらどうなるか…分かるよなぁ?」
団塊さんはウンウンと頷くと、財布から千円札を一枚抜き取った。
「300円のお返しで~す…って、もういねぇし…」
受け取られることなく俺の手の中に残った300円を、俺はレジ横の募金箱に入れた。
「またお越しくださ~い」
閉じかけの自動ドアに向かって明るく声をかけた。
「相葉君、もう出てきてもいいよ?」
スタッフルームのドアをノックした。
「櫻井さん、すいません俺…」
ドアの隙間からひょっこり顔を出した相葉君が申し訳なさそうに頭を下げた。
「いやいや、構わないよ。君がピンチの時は俺がまた守ってあげるから」
「じゃ、じゃあ、櫻井さんがピンチの時は俺が櫻井さんを守りますね!」
可愛いこと言ってくれるじゃねぇか~
それに君のその笑顔、もぉ最高!