第9章 ♦️24時間営業中
俺は櫻井翔。
コンビニのオーナー兼店長をしている。
オーナーってのには理由があって、元々俺がオーナーを務めるコンビニ『ARASHI』は、曾祖父の代からあって、俺はその後を継いだってわけ。
勿論、曾祖父の時代はコンビニなんてものは存在しなかったから、“八百屋”たったんだけどね?
八百屋がスーパーになり、スーパーがコンビニへ…
その時代に合った姿に変化を遂げたってわけだ。
時代のニーズに合わせるのは重要だからね。
でも、まぁこのコンビニ業、恐ろしく競争が激しいのなんのって…
近隣住民の心をガッチリ掴むのは勿論のこと、それ以外の顧客確保に奔走する毎日に、俺は正直疲れ果てていた。
仕方なく店番にと雇ったパートのおばちゃんは、レジで井戸端会議の議長よろしくお喋りしかしないし、一見真面目な好青年だと思った大学生の兄ちゃんなんて、勝手に商品持ち出すし…
挙句レジの金まで持ってきやがった。
踏んだり蹴ったりとは正にこのことだ。
でも24時間営業を唱っている以上、店を閉める訳にはいかない。
かと言って俺が24時間365日不眠不休で働き続けるなんて、到底不可能な話だ。
結局俺は再度求人募集の広告を出すことにした。
そして現れたのが、いかにも人の良さそうな爽やか青年、相葉雅紀だ。