第8章 ♥恋のカウンセリング受けてみない?
カルテNo.3104 大野智
な、なんなんだこの男は?
私が今まで出会った男の中に、これほどまでにボケーッとした男がいただろうか?
フワフワとしたその風貌は…そう、まるで妖精。
フェアリ~!
私としたことが、とんだ失礼を…。
ところで大野さん?
今日はどんなお悩みで?
「zzz…。ん? あぁ、なんだっけ?」
(やっぱりフェアリーだ…)
「あ、そうそう! オイラね、”翔くん”って恋人がいるのね?でもね、翔くんてばさ、いっつも口煩くってさ、オイラもう疲れちゃったの」
ほうほう…
で、その”翔くん”とやらと大野さんが、交際を始めてからどれくらいなんですか?
「えっ? それ言わなきゃダメ?」
そうですねぇ…。
少々ぶしつけな質問かと思いますが、アチラの方は…?
「アチラってドチラ?」
(天然? …いや、やっぱりフェアリーか…)
ま、所謂身体の関係について、です。
「や~だ~、そんなこと聞いてどうすんの? …恥ずかしい、じゃん?」
いやいやいや、必要なことなんで、ね?
「えっとね、翔くんはねいつもねちっこいの。でも、と~っても優しくしてくれるの」
そうですか。
お話から察するところ、あなた方の関係にはなんの問題もないように見受けられますが?
「違うもん! オイラね、たまにはさ翔くんのこと…」
あぁ、なるほど!
それなら私にお任せください。
まず大野さん、あなたは今から”翔くん”です。
そして私は”大野さん”あなたです。
宜しいですね?
「は~い!」