第7章 ♦️逮捕しちゃうぞっ♥♥♥
番屋に戻ったオイラは、既に運び込まれていた仏さんの顔をじっくり拝んだ。
やっぱりどこかで会ったことがある。
「どこだったっけなぁ…」
こんな色男、一度会ったら忘れる筈ねぇのに…
「おい、雅紀!」
仏さんの隣で、未だひっくり返ったままの雅紀の額にデコピンを食らわせた。
「痛ってぇ〜! ………ひぇっ〜!!」
あちゃ、またひっくり返っちまったよ。
う〜ん、それにしても気になるのは、この肩から腹にかけての刀傷。
相当な手練じゃねぇとこんな殺り方、出来ねぇよな?
「こんなことが出来るのは…アイツしかいねぇ」
思い当たるのはただ一人。
だが、アイツは…
「おい、雅紀。オイラちょっくら出掛けてくっからよ、おめぇ留守番頼むわ」
と、その前着替えだけしてくっか…
こんな格好じゃあアイツには会えねぇからな。
「おやびん、どこ行くんすか?」
青い顔の雅紀が、番屋を出ようとしたオイラの背中に声をかけた。
「おめぇも知ってる奴に会いに行って来るんだよ。
…そうだもしオイラが一晩経っても戻って来なかったら、おめぇ迎えに来いよ?」
「へい、がってん承知でぃ!」