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及川徹に抱かれたい

第2章 出会い



今日は入学式

まだ形が整ったままのブレザーとスカートで
見知らぬ人と見慣れぬ教室に緊張する

黒板に張ってある座席表で
自分の番号を見つけ窓際の席へ向かう

すると、いきなり


キャーーー!!\\\


と、廊下から黄色い声が聞こえてくる

(なんだろ…)

「あれ!及川先輩じゃん!」
「きゃ~及川先輩~」

と、クラス中が騒ぎ立つ

席に着き、不意に廊下を見ると
女子に囲まれニコやかに笑っている人と
パッと目が合う

(ッ!びっくりした!)
(わたしと目が合ったんじゃないよね)

急いで目を逸らしたが…

「あっ!東京から来た」
「ちゃんでしょ~☆?」

囲まれた中心から手を振って呼びかけられる

その光景にぽかんと口をあけていると
スタスタこちらへ向かってきた

「及川徹で〜す!よろしく☆」

よくわからないまま、ぺこっと会釈する

「仲いい先生が東京から女の子が来たって聞いてさ〜」
「どんな子かなっと思って会いに来ちゃった☆」

ワイシャツの胸元から少しだけ
爽やかなミルクグリーンのようなTシャツが見え
シャツの袖をクルクルとおしゃれに巻いており
何より身長が高く王子様オーラを放っている

(確かに…かっこいいと思うけど)



「どうかした☆?」


はっ!と我に返り

「あっすみません、考え事ってゆうか…」

「ふふ、かわいいね☆」


「・・・」ギロリと睨みつける


「え~!そんな顔しないでよ☆」

「そういうの簡単に言う人きらいなので」

ぷいっと目をそらす


「でも俺、ちゃんのこと気に入っちゃった☆」

びっくりして及川先輩と目があうが
(やっぱこうゆうの慣れてるっぽい…なんかやだ!)
気に入らないは少し怒ったように

「わたしはきらいで…「そんなこと言うといじわるするよ」

わたしの言葉を遮るように、耳元にグッと顔を寄せて呟いた

「・・・ッ//////」
(顔が近い!!)
(それに、いじめるって…!)

さっきの軽い感じとは打って変わり低い声
ドクンドクンと鼓動が早く鳴る

「及川く~ん、いつまでしゃべってるの~」
「はやくいこ~」

「はいは~い☆」
「じゃあね、ちゃん☆」

(周りにたくさん女子いるじゃん)
その時、さっきとは違う痛みが
チクンッと胸を刺した


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