第9章 合流と未来への選択
栞先輩に送ってもらった地図通りに動くと、あっという間に入り口に近づいた
流石栞先輩だ、指示が的確で早い
あと少しで追いつく、というところに2体の人型が京介と修の前に立つ
どうやらドアが開かないらしく、C級も軽くパニック状態だ
急がなきゃ、そう思った時迅さんと遊真が思いきり人型の方へ降っていった
『栞先輩、私に他の入り口までの各ルートと直接本部へ向かう最短ルートを送ってください、京介達の援護をします』
『了解だよー!…皆のこと、頼んだよ』
『誰に言ってんですか?私はこう見えて風間さんだけじゃなくて友達の事も本気で好きなんですよ』
ルートを確認し、京介達の援護に向かうべきだと思い敵の狙いを分散させようと"干将・莫耶"を握り直し、悪戯神の靴を履いたまま角付きの方へ飛びかかる
「はぁ!!」
「!」
相手も私の気配に気づいたらしく、咄嗟にトリガーを使って対抗してくる
どうやら周りに舞っている黒いトゲトゲとしたものがトリガーらしい…これは自在に操れると見た方がいい
咄嗟に首を狙っていた体勢を捻り、回転斬りに切り替えて京介達の前に立つ
「新手ですか…ヒュース殿の攻撃を見切るとはいやはや中々にお強いようだ」
「……アンタも気配に気づいてた、反撃する意思の色してる」
「ほう……」
そう笑うお爺さんのオーラは恐ろしいほどに強い
威厳に満ちた、冷静な色……おそらく相当の使い手だ
「琥珀先輩!?」
「久しぶりだね?こいつら倒せばいいの?迅さん」
「ああ、だけど琥珀ちゃんは…メガネ君について行ってくれ。絶対にメガネ君と千佳ちゃんを守れ」
「…未来見えたんです?か?」
「まぁね、こいつらの未来に琥珀ちゃんはいない……それに、メガネ君が死ぬ可能性がある」
修に聞こえない位の声で言った迅さんの未来視の結果に愕然とする
つい敵から目を逸らし迅さんを見てしまうが、その色は全く嘘などついている色ではなかった
つまり、一つの未来は修が死ぬ
そして私が修についていくことで、きっとその未来は回避しやすくなるのだろう
「わかりました、京介と一緒にC級の護衛に当たります。じゃあ」
そう言って下がり、京介と共にC級達を連れて走り出す
未来を変えなければならない