第1章 空も飛べるはず
調理実習で作ったミネストローネを食べ終わると
『う~ 食べた~。苦し~。
おおちゃん、説教ならいらないよ。』
そう言いながら理人は髪をポリポリとかいた。
『…俺は お前が心配で仕方ないよ。
授業だってろくに出てないし、先輩の悪いようなのと 仲良くして。』
翔はシラケた目をむけると
『雅紀達は悪い奴らじゃないよ。
いつも俺の事思ってくれて困ったときはすぐに駆け付 けてくれるし』
『バイクで暴走したり、さっきだってタバコ没収され て停学確定だろ~。
そんなのとつるんで、お前の将来を無駄にしてほしく ないんだよ』
『別に関係ないし。 将来がどうとかさ、 何か今は考えられないってか、今 を楽しみたい?みたいな』
『今は何かなくてもとりあえず今のままじゃ卒業すら 危ういだろーが。
お前だって一つくらいなりたいものとかあるんじゃな いか? 』