第1章 空も飛べるはず
『やり~っ サンキューお~ちゃん。食べられないと
思ってた』
鍋のふたを開け翔は匂いをかいで、そしてむさぼりつ いた。
『しかしお前は見かけによらずドジだな~。』
先生は翔の包帯の手を見ながら笑った。
『もう。 雅紀と同じ事言ってるし。
人には向き不向きってもんがあるんだよ。
ってかこれめちゃくちゃ美味いな。』
『そりゃー、 俺が作ったやつだからな。
それより櫻井は色々と直していかないとな。
言葉遣いとか身なりとかな…』
そう言いながら、翔の明るすぎる金色の髪を見つめる。