第4章 G線上のアリア
どれくらいの間そうしていたのか、カーテンの隙間から見える窓の外は、もうどっぷりと日が暮れていた。
ぐったりと俺に身体を預ける大野さんをベッドに横たえ、額に手を宛てた。
俺はスマホを手に取り、まーくんとのトーク画面を開いた。
「大野さん熱あるみたいだから、今夜は付き添うよ」
要件だけの短いメールを送った。
濡れたタオルを額に乗せてやると、薄らと目を開いた。
熱が高いのだろう、潤んだ瞳がとても切なげで、
「今夜は俺が傍にいてやるから、安心して寝な?」
優しくそう言ってやると、小さく頷き再び瞼を閉じた。
閉じた瞼の端に、涙の筋が光った。