第4章 G線上のアリア
俺みたいに暗くて、ゲームしか取り柄のない奴がさ、あんなキラキラした奴らとつるんでたらさ、当然だけど妬んでくる輩がいる訳で…
所謂“イジメ”ってヤツが始まった。
靴が片方無くなってたり、ノートや教科書に悪戯書きされることなんて、日常茶飯事でさ…
その程度の“イヤガラセ”なら、小中学校の時にも受けたことがあったから、我慢出来なくもなかった。
でもアイツらには俺がイジメを受けてる、なんて恥ずかしくて相談できなかった。
だから笑顔の下ではいつも泣いてた。
“助けて!”って…
俺はアイツらと一緒にいたかったんだ。
アイツらと一緒にいれば、俺もキラキラ出来ると思ってたから。
だけどさ、俺がアイツらと一緒にいればいただけ、イジメはエスカレートして…
終には俺がアイツらと離れた隙を狙って、数人がかりで体育倉庫に連れ込まれた。
身ぐるみ剥がされて、マットで巻かれて殴る蹴るの暴行を受けた。
マットで巻いときゃ、痣も残んないから、ってよく考えたもんだ。
それは暫くの間続いた。