第4章 G線上のアリア
ふと昔の記憶が蘇る。
俺達はいつも5人でいた。
楽しいことも、悲しいことも、いつも5人で分け合ってきた。
時にはバカやったりもしたけど、それも今となってはいい思い出だ。
個性も育ちも違う俺達が、“友達“ って呼べる関係になるのに、大したきっかけも理由も必要なかった。
結ばれるべくして結ばれた絆、って言ったらカッコよすぎるかもしれないけど。
ま、敷いてあげるなら、まーくんの明るさが5人を引き合わせてくれたのかも知れない。
じゃなきゃ、俺みたいなヤツがこの5人の中にいられる訳がない。
翔ちゃんも、潤も、まーくんも…みんなキラキラしてた。
でもその中で、大野さんだけはちょっと違ってた。
いつもボーッと、何考えてるのか、さっぱり分かんない、おじいちゃんみたいな人…それが俺が受けた大野さんの第一印象。