第4章 G線上のアリア
大野さんを尋ねようと、アパートの前まで来たものの、足が一向に前に進まない。
どんな精神状態でいるのか、不安だった。
ああ見えて案外弱いんだよ、あの人は…
第一、まーくんと潤のした事を、なんで俺が謝んなきゃいけないのか、まず分かんない。
ま、潤との関係を知ってて放任してた俺にも、責任の一旦はあるから、それも仕方ないのか。
それに、翔ちゃんのことで、大野さんに話とかなきゃいけないこともあるし…
多分コレが、足が前に進まない原因何だろうな。
出来る事なら話したくはないから。
だって大野さんの泣いた顔、見たくないんだよ。
大野さんにはずっと笑ってて欲しいから…